概要・年表

創成期と大正時代

明治43年に野球部スタート

リーグ第1号は湯浅、熊谷に

 

明大野球部の誕生はいつか。六大学野球全集によれば、明治39年ごろ伴静吉氏が中心になってチームを作っていったという記録があるが、 学校に認められたのは明治43年。同年5月に明大分校と有志が東京駅前試合をして1-2で負けた。これが文献に出てくる始めたの試合。そこで 野球部の誕生は明治43年とした。
  
 柏木(現在の東中野)に球場をつくる。幅10間、高さ4間のネットが当時としては野球部の自慢。7月20日に選手が柏木に集合。9月10日に慶大を招いて球場開き。
 
 野球界に出ている創生期のメンバーは次の通り。監督=佐竹官二、投手=山下、捕手(主将)=中津川、一塁=高木、二塁=斉土、三塁=小島、遊撃=小川、左翼=黒田、中堅=伊藤、右翼=伴。
  
 44年から本格的な活動を開始した。20日間の関西遠征、早、慶両校と大学との初の対抗戦。記念すべき初白星 (対名古屋医専)もマークしている。そして45年(大正元年)には早、慶両校と合計13試合を消化、これが六大学野球の源となる早慶明三大学リーグ 戦開始の口火となったといえよう。    
  

 大正2年にはマニラで開かれた第一回極東オリンピックに出場して優勝した。これが初の海外遠征であり、大会の初優勝でもあるが、 それよりもビックリすることは9月にワシントン大学を招待したことだ。往復の船賃、日本の滞在費を創設4年目の野球部が持つ計画だったというのだから、雄大なプランには舌を巻く。最も故山村先輩によれば数千円の赤字となり、学校側が負担してくれたそうだ。
 
 翌3年には第一回米国遠征。11名の選手で115日間、全工程2万マイルの大遠征。成績は26勝28敗2分けだが、その意気込みたるやたいしたものだった。そして秋から三大学リーグがスタートした。これが大学野球リーグ戦の出発点である。
 
 大学リーグは6年に法大が参加して四大学となり、10年から立大が加盟して五大学となる。これが14年秋に帝大(現在の東大)の 参加で現在の東京六大学野球リーグ戦となるわけだ。
 
 4年に二度目のハワイ遠征を試みたが、辻田選手の死亡や一部新聞に中傷記事が出て休部することになり、秋の三大学リーグ戦の出場を辞退するアクシデントがあった。最上級生の藤枝主将、中沢、池田さん選手が責任をとって退部。故山村一朗先輩の尽力で中村俊二投手を主将に選び、11月5日から柏木で練習を開始した。
 
 このころは海外遠征がさかん。4年のハワイについで、7年、9年と満支遠征、11年には上海。又8年には第一回の北海道遠征を行い 、安藤投手が青森鉄腕クラブ戦でノーヒットノーランを達成した。
 
 7年の春のリーグ戦では川原捕手が三割五分三厘の最高打率をマークしたが、これが明大が生んだ初のリーディングヒッターということ になる。
 
 昭和5年秋には駒澤にグラウンドを移した。現在の世田谷三軒茶屋付近。グラウンドのライト側の入口の前に合宿を建設。又レフトの裏 の民家を借りて第二合宿とし、ここには予科生が住んでいた。
 
 12年の秋、念願の初優勝をマークした。関東大震災のために11月3日開始と、秋のリーグ戦の開始は大幅に遅れたが、大震災の10日に駒澤の球場に集まった野球部は、故天知先輩の記憶によると余震でグランドの草が揺れている中でもう練習を始め、そして29日からは母校復興の義益金募集のために北陸から関西に遠征。宝塚で20日間も練習したことが初優勝の原動力となった。殊勲者は湯浅。9試合全部に登板、慶明二回戦以外は完投で6勝を稼いだ。
 
 リーグ戦の成績は8勝1敗。この年から監督になった岡田源三郎氏が、主将時代から関西の有名中学から選手を集めたチーム作りが実を 結んだわけだ。投手=湯浅、村井、捕手=天知、梅田、一塁=谷沢、二塁=横沢、三塁=稲葉、遊撃=林、左翼=大門、中堅=熊沢、右翼=二出川。
 
 12年秋に初優勝すると、翌13年春のリーグ戦の出場を辞退して約4ヶ月間の第2回アメリカ遠征を挙行した。14年にはハワイ遠征。 そして秋からいよいよ六大学野球リーグ戦が始まる。その記念すべき第1戦は9月20日、駒沢で行われた明立1回戦、明大が7-1で快勝したが、以来 61年秋の早法1回戦でリーグ戦4千試合となった。
 
 第1回のリーグ戦は9勝1敗2分けで惜しくも2位に終わったが、湯浅投手が明立2回戦、明帝3回戦と2度もノーヒットノーランの偉業 を達成した。湯浅の無安打無得点試合が六大学第1号ならば、明立2回戦の7回に打った熊谷選手のホームランも六大学第1号。又明帝3回戦は勝った明大も 梅田の1安打だけ。1試合合計1安打とはアマ、プロを通して日本球界の珍記録。
 
 大正15年の春の明法3回戦では安田投手がノーヒットノーランを達成している。
 

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